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2016.02.27 (Sat)

【ペープー再録】キスマーク爆撃

ソッ……|_・)  (再)

下のガーターくんと同じ時期のペーパー再録です。
今だからこそのカイン×セツ、一周まわって新しい…(新しくねっがら!)

よろしかったらどうぞなのです。



↓つづき

More・・・

       

(……どこの馬の骨とも知れない女で培ったテクニックをアタシに、仕込もうっての)


「ムカつく……っ」

いいざま、彼を押しのけて体を起こそうとすると、
伸びてきた手に引き戻されて、肩口を押さえ込まれた。
憤懣やるかたなく、唇をかんで彼を見上げ……なにがなし、はっとする。

「それは、妬いてるのか……」

言われて、カッと熱くなったのは、私か、セツカか……。
私に影を落とすように覆いかぶさる大きな体から、
今までの彼からは感じたことのないような、
生々しい男性の匂いを嗅ぎ取って体が萎縮する。

兄さん、であって、兄さんでない……もしかするとそれは、セツカも知らなかった
カイン兄さんの『男の顔』なのかもしれなかった。

「俺が、ヤッた女たちに……妬いてるのか?」

この体に、こうやって組み伏せられて、奥深くまで重なり合った、誰かたちがいる……。

「離してよ」

胸が苦しいのは、私か、セツカか……。
彼の胸に手をつっぱり、押しのけようとすると、両手を掴まれてベッドに縫い付けられた。

「俺が最初にヤッたのは……――歳の時で……ブロンドの、年上の女だ……」

耳元に唇をつけて、どこか毒々しく囁く、低い声。

「入れたとたん、イッたな…… ビッチの――に……で……してやった……」

“兄さん”の意図するところがわからないまま、聞きたくなくて体を捩って暴れる。

聞きたくない、そんなこと。それがたとえ、敦賀さんでなくても……。
この人が触れてきた誰かたちを彷彿とさせることなんか……聞きたくない。

なのに“兄さん”は、そんな私を苛めるように、
過去、どんな風にどんな女性と楽しんできたかを言い続けた。

(やめて、やめて……)

(嫌、あなたの声で、あなたの口から、そんなことを……嘘でも、作り話でも、聞きたくない……)

唇をくいしばってると、知らず、涙が滲んだ。

「……ひどい、兄さん……きらい……なんでアタシに……そんなこと聞かせるの……」

心臓が破けてしまいそうなくらい痛くて、辛い。
こんなにも……いつのまにか、この人を……

「……おまえが、嫉妬で身悶えているのが、可愛い……」

指で涙を拭われて、唇で目元を吸われた。

「可愛くて、可愛くて……たまらない……」

頬を摺り寄せて、かき口説かれる。

「どの女をヤル時も、全部それがお前だったらいい……と思ってた」

「お前をこんなふうにヤれたら……お前にこんなふうに触れたら……お前を――お前だけを。
……いつだって、そう思いながら、ヤッた」

役柄の上のことだけとわかっていても “兄さん”の低い声は、
脳髄を直撃して、最奥を痺れさせた。

(だから、おまえが嫉妬する必要なんかどこにもない……)


私の中の、セツカの女が、ゆっくりと呼応する。
抱きしめられて、彼の腕の中で、背をそらせて、思わず喘ぐような吐息を漏らしてしまった。
手を伸ばして、彼の首をかき抱く。
――なにをしているんだろう……私は。

「……かわいそうな、兄さん……そんなに、アタシと……したかった、の……」

どうしたらいいのか。
こんな、お芝居をしてしまって……
敦賀さんは、どうするつもりなんだろう。
――私は、どうするつもりなんだろう……。

「俺が、自分からヤリたいと思う女は、この世でお前だけだ」

けれども、彼がそう言った時、ふいに猛烈に、醒めていく気がした。

相思相愛……。

『病んでいて禍々しい』 ――ベタな設定とは思ったけれど、その関係の真実を、
多分この瞬間、私はようやく感覚として理解したのだと思う。

カインとセツカは、兄妹で……だけど、そんな事が何の障害にもならないくらいに
お互いを強く求めあっていて……
まだどこかに妹としての無邪気な甘えを残す『セツカ』が、
兄を男として受け入れる準備が整えば、
身も心も結ばれた恋人同士にも成り得るのだということを。
むしろカインは、それを焦がれるように待っているのだろう、ということを。
……そしていま、敦賀さんと私の演技によって、カインとセツカの間の、
まさにその最後の扉が開かれようとしているということを。

――――それが “わかって”しまった。
どんな禁忌も、常識も、倫理も道徳も、かれらを引き離すことは出来ない。
ひとたび走り出せば、二度と引き離すことはできない――――ふたりなのだと。
でも……それは……。

(敦賀さんとわたしとは、ぜんぜん違う……)

暗い穴の底に、吸い込まれていくような喪失感。

(……セツカが妬ましい……)

ふいにそれに気が付いて、仮面が、剥がれ落ちていく気がした。

『俺が、自分からヤリたいと思う女は、この世でお前だけだ』

……敦賀さんなら、過去の恋人たちについて、決してそんなことは言わない。
敦賀さんが触れた女性は、きっと敦賀さんに愛されて、大事にされてきたに違いなくて。
だから、あの言葉は、カインと敦賀さんの乖離の大きさを物語っていて……。

敦賀さんの役者としての力量を感じれば感じるほど、手が届かない遠さを感じてしまう。
そう、この、重さも、吐息も、ぜんぜん私のものじゃない。
なのに、こんなふうに……震えるなんて――――

……心が壊れてしまいそう。


「………セツ……?」

「……ごめんなさい、敦賀さん……もう、これ以上は……」

セツカにすら、こんなに激しく嫉妬する私が、役者だと名乗るのもおこがましい。
私は、消えてしまいたいくらいの恥ずかしさと絶望の中で、小さくつぶやいた。
ショータローが私を嘲笑う顔のイリュージョンさえ見えた。
悔しいけれど、あんたの勝ちかもしれない。
私は、所詮、色恋に堕ちるだけのつまらないゴミぞうきんなのかもしれない。
そうでないことを、夢見たのに。
ここでなら、それが叶うと……一度は信じたのに。

「…………」

顔を覆って、しばらく混乱と自己嫌悪の中に耽溺して……
ふと、動こうとしない敦賀さんに違和感を覚えた。
怒っているのだろうか。演技の最中に、自分に戻ってしまった、私に。
いつまでも、組み伏せられたままでいる……ということに気付いて、
わずかに目を泳がせながら、彼のほうを見上げる。

心臓を、射抜かれるような気がした。
叱られた、子犬のような目で、じっと私を見ている敦賀さん。

「……なの――――」

「え……?」

彼は、ふいに、苦しくてならないかのように、眉をゆがませた。

「俺はやっぱり、駄目なの……?」

なに?

「やっぱり『俺』だけは、ない……? 間違っても俺に惚れる様なバカな真似は、してくれないの……?」

思わず、目を見開いてしまった。
なぜ、どうして、敦賀さんが……そのせりふを。

「……あの日、不破君がわざわざ伝えに来てくれたよ」

あの唐変木、よりによって、敦賀さんに向かって、なんてことを……。
首筋の毛が逆立つような怒りを感じながら、
ふと、でも、なぜ、いまそんなことを……?といぶかしさを感じる。
そうして、彼をおそるおそる見上げると、彼は、ひどく傷ついた顔をしたまま、
少しだけほほえんだ。

「こんなふうに、芝居の最中に素に戻っちゃうくらい……俺には、触られるのも……嫌?」

(なっ……、ちが……!)

むしろ、逆なのに。
ぜんぜん逆なのに。
彼は、ごめんね、といいながら、ゆっくり体を起こし……
彼の重さが遠のいて、体が軽くなると、思いがけないほどの寒さを感じた。

「………―――」

ベッドに腰をかけてむこうの床に足を付いた彼が、
何かに気付いたように、視線を落とし、こちらを見る。
私は、無意識のうちに掴んだ彼の服の裾を、あわてて離した。

「…………」

誤解、してもらっていたほうが、いいに決まってる。
そうしたら、少なくとも、私がこの人に恋をしているということが、
この人にばれなくてすむ。
敦賀さんだけはない、この先、まかり間違って誰かに再び恋をするとしても、
敦賀さんだけは、決してない。
この上のない栄養を、道しるべを、毒に変えるようなことだけは、したくない。
本心だった。

でも。
……でも。
もう、既に、無理なんじゃないかって。
だって、セツカにだって、嫉妬した。
この先、兄さんがセツカをいとおしむたびに、私はきっと、セツカを羨む。
仮面がはがれる。
いまみたいに……きっと。

――――どうして、こうなんだろう。
どうして、こんなことになってしまったんだろう。

「……ど、どうしたの?」

この世に私ほどの愚者(バカ)はいない。
敦賀さんが、彼らしくなくあわてたような声で、私を覗き込む。

いやだ、見ないで。

私は、起き上がって、バカみたいに溢れてくる涙と鼻水を両手で隠した。
泣くなんて。
泣いてしまうなんて。

「……最上さん……?」

心配そうな低い声が頭上から落ちてきて。
もうどうしたらいいのかわからなくて
混乱のあまりにとめどなく出てくる煮汁をひたすらに拭っていると、
ふいにふわりと抱き寄せられた。

カッとした。


「敦賀さんが、そんなだから……!」

跳ね除けるようにして、ベッドから飛び降り、たちあがる。

「そんなふうだから、私がこんな愚者(バカ)になっちゃうんです!」

驚いたふうに私を見ている、大好きな人。

「誰にでもやさしくて、私なんかにも親身になってくださって、頼りがいがありすぎて、だから、卑怯です!大嫌い!」

自分でも、何を言ってるかワケがわからない。
彼は少し、胡乱そうに眉をひそめると、
そのままものすごい無表情になって、じっと私を見た。
そして、いやにゆっくりと、確かめるような声で、やさしく言った。

「……誰にでも親身になるわけじゃないよ……?」

またそんなひどいことを言う。
また、そんな、私誑しなことを言う。

「ばかっ!」

思わず先輩に向かってとんでもない悪態をつくと、
敦賀さんは、少し目を眇めるようにして……
よりいっそう、作り物めいた顔になった。
美貌の人の無表情は、美しすぎて、いっそ恐ろしいほどに蠱惑に満ちていた。

「――――俺は、調子に乗ってもいいのかな……?」

「……なにがですかっ」

「……さっきから、なんだか君に好き好き言われてる気がする」

「なっ……!」

血の気が引いて、真っ青になって、
次の瞬間、頭に血が上って、多分真っ赤になった。
どこをどうしたらそんなふうに、今のやり取りが……と思う気持ちと、
やっぱり見透かされた、という恐慌がないまぜになり、
感情の統制がきかない。
それはもう、さっきからずっと、そうだったけれども、
限界を突破して、焼き切れてしまいそうだった。

敦賀さんはそんな私を見て、思わずみたいにぷっと噴出し、
握りこぶしで口を押えて低く笑った。
腹が立った。

「……ごめんごめん……うん、そんな、まさかだよね……でも、いい機会だから言っておくとね」

嫌な予感に、体を引くと、立ち上がった彼がひとつ息をついた。

「俺は君が好きだから」

「は?」

ぽかんと見上げると、彼はうっすらと目元を赤く染めて、少し目を逸らし……
なにかひとつ踏ん切りをつけたように、私を真正面から見つめると、
この上なく真剣に、囁いた。

「俺は、最上さんが好きだから」

思考が停止する。
この人は、いま、何を言った?

「……いや、気付いてくれてもいいんじゃないかって思うよね……。
君と……不破君が絡んでる度に、我ながら恐ろしいくらい嫉妬深くなってたと思うけど……
――それって、君はどう思ってたの?」

「………」

どう思うも何も、理由なんかわからなくて、混乱していました……。

「嫉妬、していたんだよ……?」

(我を忘れて、芝居も忘れるくらいに……)

(兄妹の芝居中に、「オレ」が抑えられなくなるくらいに……)

(さっきだって、君の“セツカ”が、オレを引き戻さなければ、俺は、きっと……)

「君にとても、ひどいことをしてしまっていた……」

私は、話の展開についていけなくなって、バカみたいに彼をじっと見つめていた。
彼は、目にかかる前髪を両手ですきあげると、
下唇を少し噛んでゆがめ、笑みのかたちに悩ましく私を睨んだ。

「……それで、さっき、嫉妬していたのは……どっち?」

突然、矛先をこちらに向けられて、引き攣る。

「途中で、芝居ができなくなるくらいに、誰が、誰に……どんなやきもちを焼いてくれたの?」

そっと、頬に添えられる大きな手が。
私は、知らず、じりじりと後ずさって、いつしか壁に背をついていた。
敦賀さんは、どんどん私に迫ってくる。
吐息がふれあうくらいに近くて、その何ともいえない甘さに頭の奥が痺れたようになって、
私はその場にへなへなと座り込んでしまった。

逃げたい。こんな、ありえない……状況から。
でも、でも……。
必死に気付かないふりをしている私の意識とは裏腹に、敦賀さんへの恋心が、
この状況に、震えるほど興奮している。
……どこか、淫蕩な、悦びすら、感じている。

助けて。

敦賀さんが、私の前に膝をついて更に身を寄せてくる。

「…………ひどい男と、思ってくれて良いけど……」

髪を撫でる、大きな手。

「……さっきの、カインの台詞は、オレの気持ちと、そうかわらないよ……」

(確かに、自分では、真剣に恋をしているつもりだったけれど……)

「君に感じるみたいな……こんな、どうしようもないくらいにみっともない……は、初めてです」

そっと首のうしろにまわされた手で、引き寄せられて……
彼の、服のはだけた広い裸の胸に抱き寄せられて。
すごく、敦賀さんの心臓の音が、激しくて。
その手が、かすかに震えてさえいて。
それで、この人も、この状況に、とても緊張しているのだ、と、気が付いた。
なぜ、こんな人が、わたしなんかに……?と思うと、狐につままれたような、
狸に化かされているような、信じがたい気持ちになる。

……どうしよう、どんどん愚者になる……。
とてもこわいのに、崖から飛び降りてしまいたいほど逃げたいのに、
同時に、この人に、すがり付いてしまいたい。

好きだと言ってしまいたい。
このひとに、好きなようにしてほしい。
このひとが、かつて触れた、誰よりも、強く……深く。
そうして、このひとが触れた、全ての人を、わたしでぬりかえてしまいたい。

だから、嫌だったのに。
だから、絶対嫌だったのに。
こんなひとを、私だけのものにして、独り占めして、誰にも触れさせたくないと望むなんて、
なんて愚かで、だいそれていて、身の程知らずでなんだろう。
私なんか……大嫌い。
地味で色気のないつまんない女で、しかも、指一本ふれられることなく
あいつに捨てられた、ぼろぞうきんのくせに。
混乱の只中で激しい自己嫌悪の渦に巻き込まれていると、
耳元で「こっちを見て」と彼が言った。

「……今度は、オレが…………」

(『そこ』から、引き戻してあげるね……)

――――そうして彼は、軽々と、私を抱き上げた。

ベッドの上に、おろされて、視線を泳がせて彼を見上げると、
そこには敦賀さんではなく、カイン兄さんがいた。
兄さんは、今まで見たことのないような、匂いたつような淫らな顔をして、
ゆっくりと覆いかぶさってくると、セツカ……と甘い声で囁いた。

「おまえに……オレの、独占欲の印を、刻んでやる……」

カインの顔で、そんなことを言われて。
セツカに向かって、そんなことを言われて。
受け入れられない理由などなにもないところに追い詰められて……
私は、セツカのふりをして、目を閉じた。


***


「……もう、信じられない……っ」

翌朝、私は、バスルームでシャワーを浴びて、鏡に映った自分の惨状を眺め、
ベッドで眠る人に向かって呪いの言葉を吐いた。
全身くまなく、いたるところに散った、内出血。
乙女として、言葉に出すに憚られるような……
けれどもそれは、予想を反して、男女の一線をこえるようなものではなかった。
でも、こえていなくても、こえたも同然な、ふしだらなことを……してしまった。

はじめは、おでこにくちづけられて……次は、頬に。
耳元に、首筋に……彼は、何度も何度も、同じところに繰り返しくちづけて、きつく吸った。
吸われたところも、頭の奥も、アツく痺れて。
セツカとして、彼の愛撫を受けることに陶酔していたら……
いつのまにか、裸同然に脱がされて、体の隅々に、彼のしるしを刻まれた。

(……こんなところにまで……)

指で、ひとつひとつを辿って……ふと目を落とす。
太腿の、内側……ひときわ、強く、歯形を伴ってつけられたそれに、
目が吸い寄せられる。
あられもなくひらかれて、もうやだ、と泣くと、荒い息の彼に噛みつかれた。
何度も吸われて、舐められて、たぶん私は、みっともなく喘いでいたと思う。
下着はつけたままだったけれども、薄い布地を通して、
わたしのふしだらは彼にはわかってしまっただろう……。

でも、彼は遂に、一線を越えることはなかった。
それどころか、そこには触れることさえなかった。
ほっとしているくせに、同時にそれが、とても痛かった。
恐ろしいほどの数の所有印は、カインのセツカに対する
愛情と執着を見事にあらわしているけれども、
そうであればこそ、昨日の夜の敦賀さんの行為は、私の芝居を再開させるための、
彼流の手段に過ぎなかったのではないかと思えてくる。
敦賀さんが、好きといってくれて、私はセツカに戻ることが出来た。
だから。もしかしたら……それが彼の、役者としての、先輩の務めで、
やさしさなのかもしれないじゃないかと。

「違うよ」

ふいに、後ろから声をかけられて、ギョッとふりかえると、
私の悩みの根源が、どこか気だるげにドアにもたれていた。
声にならない悲鳴をあげて、あわてて、バスタオルをかぶり……
セツカだったら、素っ裸で仁王立ちして、キスマークの文句くらいいいそう……と考えて、
自分で駄目息をつきたくなった。

「………」

でも、今さらな気もして。
目の前にいるのも、カイン兄さんじゃない感じだし。
上目遣いに彼をうかがうと、きれいな人は悪そうに笑った。

「君と初めてするのに、カインとセツカじゃ嫌だったから、やらなかっただけ……
むしろ、地獄の苦しみを耐えたオレの自制心を褒めてほしいくらいだよ」

彼はそう言って言葉を切り、ちょっと目を眇めると、舐めるように、
私の頭のてっぺんから、つま先までを眺めて、首をかしげた。

「……なんなら、いまから、する……?」

ニッコリとふしだらに微笑む……美貌。
少し前の私だったら、結構ですの無限乗で応えたはずなのに、
今朝の私ときたら、赤面して後ずさるしかできなくて。
どんどん、誑し込まれてしまう……どうやって、抵抗したら良いのか、わからない。
私は、わざと仏頂面を作ると、何も言わずにバスルームをあとにした。


そして、今私は、全身のキスマークを隠しもしない、
露出の多いセツカの衣装で堂々と現場に付き添っている。
いつもは露出の多さにぶんむくれる(あまつさえ着替えさせようとさえする)“兄さん”が
「今日はこれを着ろ」と差し出したのを、そのまま着てやったからだ。

それは、確かに、セツカだったら、そんなものに頓着しないどころか、
兄との情事をみせつけて歩くのはおうおうにしてあると思う。
そう……いまちょうど、私につけられた首筋の歯形を、
見るなら見ろといわんばかりに晒して歩いている兄のように。
だから、否はなかった……。セツカを演る以上、否を言うわけにはいかなかった。

……そうしてわたしたちは、その日から、一躍本物の変態兄妹に躍り出た。

あれ?と思う。
今はいいよね……カインとセツカは、そういう兄妹なんだし。と、ふと思う。
でも、この映画の撮影が終わって、
ブラックジャック、イコールカイン・ヒールが「敦賀蓮」だと周知された時……
雪花・ヒールが「京子」だと知れた時……この状況は、どうなるのだろう……?
うそ寒い感覚に、そっと彼のほうをふりあおぐと、
彼は、カインなのだか敦賀さんなのだかわからない顔で、悪そうに笑った。

(その頃までには、俺たちも、本当になんとかなっちゃいたいね……?)

私が、好きになった、この人は。
超能力者かなにかなのだろうか?
なんだか、物事をはっきりとさせないうちに、既成事実ばかりが積み重なっていて、
私は自分がわりとぬきさしならないはめに陥ってるのではないかということに、ふと気が付いた。

……そしてそれが決して、嫌なばかりではないということが、なおいっそう私を恥じ入らせるのだった。



04:21  |  コねた集  |  Trackback(0)  |  Comment(7)

Comment

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
 |  2016.02.27(土) 06:45 |  |  【編集】

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
 |  2016.02.27(土) 06:48 |  |  【編集】

おういえ!!

平和な土曜の昼から出没してすんまそん。
こちらにもお米さんをありがとうござまっしゅ。

■隠密の玉ちゃん
おぬし相当の廃墟マニアであるな?w
いついつまでも、オイラのそばにいてほしい…←

無理のない範囲で!!


■隠密の名無しさん
ううっ、こちらもパスの到着報告を、
ありがとうございまし。
本当に…本当に、お待たせしました。

穴があったら入りたい!!
(性的な意味で)
豚 |  2016.02.27(土) 13:26 | URL |  【編集】

もぉぉぉぉ!!

あいしてます!!あいしてます!!あいしてます!!あいしてます!!あいしてます!!あいしてます!!'`ァ,、ァ(*´Д`*)'`ァ,、ァ
ヒョー㌦ |  2016.02.28(日) 02:13 | URL |  【編集】

にょーーーーー!!

■ヒョー㌦㌦
あたいだって愛してる!!
あたいだって愛してるよぉおおぉお!!
豚 |  2016.02.28(日) 13:04 | URL |  【編集】

ゴロゴローーー

出来れば蓮が、キョーコが追いつめられるさまを俯瞰で覗くような感覚でいたいと思うんですが、どうにも一緒に追いつめられるんですよ。豚さんのお話は!
あああああ萌えるーー
きゅ。 |  2016.03.04(金) 16:55 | URL |  【編集】

おういえ!?

わあ!!きゅんきゅんちゃんだ!!嬉しいなあ!!
ッチュッチュムチュムチュ!!

いっしょに追い詰まってくれてありがとう…
ほいでたぶんそれがおいどんがじわじわ描(書)くのを
やめられない理由なのかなー。

(この、春になると啓蟄を迎えたカエルとかみたいに
もぞもぞ這い出してくるのなんとかしたいw)

必然的に描(書)けるものも限定されちゃったりしてますが
廃屋に散乱してるエロ本とか、通学路から一歩入った山道の
人通りのないところに落ちてるエロ本を見つけた時みたいに
ドキドキしてもらえるものをぽつぽつ落としていけたらいいなあ…と
思っています(真顔)

さて、そろそろ掃除ばしてくるったい!!
豚 |  2016.03.06(日) 08:00 | URL |  【編集】

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